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SOLEVAULT No.023|Panther Wet(パンサー ウェット)|1973

1973|TRACK & FIELD


目次

Nikeは1973年、「理想的な条件」だけを見ていなかった

競技用スパイクの歴史を振り返ると、多くのモデルは軽量性やスピード性能によって語られます。

より軽く。

より速く。

より鋭く。

1970年代初頭のNikeもまた、その競争の中にいました。

しかし競技は常に理想的な条件で行われるわけではありません。

雨が降る日もある。

路面が濡れる日もある。

トラックコンディションが悪化する日もある。

Panther Wetは、そんな現実を見ていたシューズだったのかもしれません。

SOLEVAULT No.023が保存するのは、初期Nikeが競技環境の変化へ対応しようとした一足です。


「Wet」という名前

Panther Wetという名称は非常に興味深い存在です。

1970年代のNikeカタログには数多くのモデルが掲載されていますが、

製品名に直接

“Wet”

という言葉が含まれる例は決して多くありません。

現在確認できる資料だけでは、

なぜこの名称が付けられたのかを断定することはできません。

しかし少なくとも、

Nike自身が通常モデルとは異なる位置付けを意識していた可能性があります。

SOLEVAULTでは、

名前から機能を断定しません。

しかし、この名称そのものが重要な資料です。


軽量性だけでは足りなかった

同時代のMontreal XXIやCanada Quick Sixでは、

軽量性が強く強調されていました。

一方、Panther Wetのカタログ説明では、

もう一つ別の要素が目立ちます。

Maximum Heel Cushion

です。

これは単なる軽量競争ではありません。

衝撃吸収。

安定性。

保護性能。

Nikeが競技者の身体負担にも目を向け始めていたことを示しています。


青いレザーとポリウレタンコーティング

Panther Wet最大の特徴の一つが、

Blue Leather Upper

です。

さらにその上から、

Polyurethane Coating

が施されていることが記載されています。

カタログでは、

この加工によって

Permanent Shine and Flash

が得られると説明されています。

現代の視点から見ると、

単なる見た目の装飾にも見えます。

しかし1970年代初頭において、

コーティング技術は耐久性や耐候性とも深く関係していました。

Panther Wetは、

単なる軽量スパイクとは少し違う方向を向いていた可能性があります。


Four-Way Stretch Innersole

Panther Wetには、

Four-Way Stretch Innersole

が採用されていました。

これはカタログで明確に確認できます。

足の動きへ柔軟に追従することを目的とした設計だったと考えられます。

1973年当時、

Nikeは単に速さだけではなく、

フィット感や足との一体感についても研究していました。

Panther Wetはその一例と言えるでしょう。


4本スパイクという選択

Panther Wetは、

Molded 4 Spike Plate

を採用していました。

同時代のCanada Quick Sixが5〜6本スパイクだったことを考えると、

Panther Wetは少し異なる設計思想を持っていた可能性があります。

ただし現在確認できる資料だけでは、

なぜ4本だったのか、

どの競技種目を想定していたのかまでは断定できません。

SOLEVAULTでは、

確認できる事実と推測を分けて記録します。


Montreal XXIとCanada Quick Sixの間にある存在

同じ1973年のNikeスパイク群を見ると、

それぞれ異なる方向性が見えてきます。

Montreal XXIは万能型。

Canada Quick Sixは軽量特化型。

そしてPanther Wetは、

保護性や快適性を意識したモデルに見えます。

Nikeはすでに、

競技者全員へ同じ一足を提供するのではなく、

異なるニーズへ対応するラインアップを構築し始めていました。


初期Nikeの「もう一つの研究」

1970年代初頭のNikeを語ると、

どうしてもワッフルソールや軽量化技術へ注目が集まります。

しかしPanther Wetを見ると、

別のテーマが見えてきます。

それは、

競技者を守ること。

クッション。

フィット感。

耐久性。

快適性。

速く走るためには、

足への負担を減らすことも重要です。

Panther Wetは、その考え方を示す資料の一つです。


WHY IT MATTERS|なぜ、この一足を残すのか

Panther Wetは、

Moon Shoeのような伝説ではありません。

Boston ’73のような勝利の象徴でもありません。

しかし、

初期Nikeが何を研究していたのかを知る上で重要です。

軽量化だけではない。

トラクションだけでもない。

競技者の足そのものをどう支えるか。

Panther Wetは、その問いへの試みを記録しています。


SOLEVAULT VIEW

No.021|Montreal XXI

No.022|Canada Quick Six

そして、

No.023|Panther Wet

この3足を並べると、

1973年のNikeが一つの方向だけを見ていなかったことが分かります。

万能性。

軽量性。

そして保護性。

Panther Wetは、

初期Nikeの開発思想が多様化していたことを示す証拠です。


ARCHIVE DATA|アーカイブデータ

SOLEVAULT No.023

ARCHIVE NAME|収蔵名称: Panther Wet

YEAR|年代: 1973

ROOM|分類: TRACK & FIELD

TYPE|用途: Track Spike

STATUS|製品状態: Production Model

UPPER|アッパー: Blue Leather Upper

COATING|コーティング: Polyurethane Coating

TONGUE|タン: Polyurethane Foam Tongue

INSOLE|インソール: Four-Way Stretch Innersole

HEEL|ヒール構造: Maximum Heel Cushion

SPIKE PLATE|スパイクプレート: Molded 4 Spike Plate

SPIKES|スパイク数: Four Replaceable Spikes

SURFACE|対象路面: Track & Field Surfaces

PRIMARY FEATURE|主要特徴: Cushioning and Comfort Focus

SOURCE STATUS|資料確認状況: Confirmed by Period Nike Catalog Documentation


CURRENTLY CONFIRMED|現在確認できていること

Nike当時のカタログ資料により、Panther Wetが競技用スパイクとして販売されていたことが確認できます。

また、Blue Leather Upper、Polyurethane Coating、Polyurethane Foam Tongue、Four-Way Stretch Innersole、Maximum Heel Cushion、Molded 4 Spike Plateを採用していたことが記載されています。

さらに、4本スパイク構造を採用していたことも確認できます。


CURRENTLY UNCONFIRMED|現在確認できていないこと

現時点で確認できる資料では、

  • 「Wet」という名称の正式な由来
  • 正式品番
  • 正確な製造数
  • 全カラー展開
  • 重量
  • 製造工場
  • 着用選手
  • 実際の競技使用記録
  • 現存個体数

については十分な一次資料が確認できていません。

また、このモデルが特定の雨天用モデルだったのかについても現時点では確認できていません。

したがってSOLEVAULTでは未確認事項として記録します。


PRIMARY SOURCES|主要資料

Nike Track & Field Footwear Catalog(1973)

Panther Wet Product Description Page

Nike Contemporary Catalog Documentation


SOLEVAULT ARCHIVE NOTE

Panther Wetは、1973年当時のNikeが軽量化だけでなく、快適性や保護性能にも取り組んでいたことを示す重要な資料です。

現在確認できる資料は限られていますが、初期Nikeスパイク開発史の一部として保存します。

有名だから残すのではない。
存在したことが確認できるから残す。

SOLEVAULT No.023|収蔵完了。

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Nike Panther Wet(1973)|快適性と保護性を追求した初期Nikeスパイク【SOLEVAULT No.023】

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nike-panther-wet-1973

メタディスクリプション

Nike Panther Wetは1973年に登場した初期Nikeトラックスパイクです。ブルーレザーアッパー、ポリウレタンコーティング、最大級ヒールクッションを採用した競技モデルをSOLEVAULT No.023として収蔵します。

フォーカスキーフレーズ

Nike Panther Wet

SNSタイトル

Nike Panther Wet|初期Nikeが追求した快適性と保護性

SNS説明文

Panther Wetは、ブルーレザーアッパーとポリウレタンコーティングを採用した1973年のNikeトラックスパイクです。軽量化だけではない初期Nikeの開発思想をSOLEVAULT No.023として記録します。

記事カテゴリー

Track & Field Spikes

タグ

Nike, Panther Wet, Track and Field, Nike Spikes, Vintage Nike, Track Shoes, Nike Archive, SOLEVAULT

アイキャッチ画像 ALT

1973 Nike Panther Wet vintage track spike shoe catalog image

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  • SOLEVAULT No.024|Pan Am
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